車・・・そして、家
男がいた
男は、何も持たない。
ただ、荒野にたたずんでいた。
ある日、男は車を見つけた。
何もない荒野に赤い車が1台。
車の他に人1人見当たらない。
何もない荒野で、男は車を手にした。
男は、車を持つ男になった。
そこに男が、近づいてきた。
男の顔は既にガイコツ。
着ている服から昔は、紳士であったのであろう。
昔紳士は、車を持つ男に話しかけてきた。
「赤い車を持つ男に渡す家がある」
昔紳士は、車を持つ男に、説明した。
荒野の外れに、家がる。
人が住まなくなり、既に数十年経つ。
今では、怪しい影が映る家。
荒野を彷徨い続けて、今、男を見つけた。
この男であれば、あの家までたどり着けるハズ・・・
この赤い車を持つ男であれば
男は車に乗り込む
昔紳士も車に乗る
車を持つ男は、荒野の外れの家を目指す。
どれくらい走ったのであろう。
遠くに家が見えてきた。
確かに家だ。
近づくと家は、荒野の外れに立っていた。
昔紳士は、車を持つ男に告げる。
「この家を譲ろう」
そして
「私が執事になろう」
だが、おかしい
確かに家、家だが・・・絵だ。
男は、絵の家を持つ男になった。
おまけで、執事も付いてきた。